私は昔の駄菓子屋と言われると思い浮かぶような、汚れた木の梁が目立つ土壁の古い部屋にいた。
窓際の机の学習机、紙皿に何匹か蛇のような生物が並べられている。体長は10cmくらいで、色は紫に近く、皮膚の質感や模様は蛇のそれで間違いない。
目が大きく、口は小さい。尾はどじょうのように細まっている。体長が短いので手足のないトカゲの類にも見えるが、蛇だ。
蛇たちは絶えず霧吹きで水をかけていないと皮膚がひび割れ、縮んでいってしまう。そのため私は数分おきに水をかけてやった。
蛇たちに水をかけていると、それらの小さな破片が現れる。その破片に水をかけると、大きくなっていきまた蛇になる。
私は蛇の一匹を床に落としてしまった。するとまた新しい破片ができ、その破片に水をやると目ができてきた。
母は言う。
「〇〇××△△〇〇!!!」
私はとっさに言い返したが、言葉が言葉にならない。
「おぇあやんだぐじゃ!!!!!」
……「大丈夫?」
妻の声が聞こえる。
私は夢を見ていて、夢の外で叫んでしまっていたようだと気づく。
うなされていたところを起こしてもらえたのはうれしいことだが、あの蛇をもっと育てていたかったとも思うのはどういう気持ちからなのか。
またあの蛇が現れたら水をかけるべきなのか。