不眠男の夢日記

夢日記兼ポエム置き場です。あまり夢を見ないので更新されないかもしれません。タイトルに日付が入ってるのが実際に見た夢で、その他はポエムです。

2021年8月17日

私は昔の駄菓子屋と言われると思い浮かぶような、汚れた木の梁が目立つ土壁の古い部屋にいた。

窓際の机の学習机、紙皿に何匹か蛇のような生物が並べられている。体長は10cmくらいで、色は紫に近く、皮膚の質感や模様は蛇のそれで間違いない。

目が大きく、口は小さい。尾はどじょうのように細まっている。体長が短いので手足のないトカゲの類にも見えるが、蛇だ。

蛇たちは絶えず霧吹きで水をかけていないと皮膚がひび割れ、縮んでいってしまう。そのため私は数分おきに水をかけてやった。

蛇たちに水をかけていると、それらの小さな破片が現れる。その破片に水をかけると、大きくなっていきまた蛇になる。

私は蛇の一匹を床に落としてしまった。するとまた新しい破片ができ、その破片に水をやると目ができてきた。

母は言う。

「〇〇××△△〇〇!!!」

私はとっさに言い返したが、言葉が言葉にならない。

「おぇあやんだぐじゃ!!!!!」

……「大丈夫?」

妻の声が聞こえる。

私は夢を見ていて、夢の外で叫んでしまっていたようだと気づく。

うなされていたところを起こしてもらえたのはうれしいことだが、あの蛇をもっと育てていたかったとも思うのはどういう気持ちからなのか。

またあの蛇が現れたら水をかけるべきなのか。

2020年7月31日

私は競馬場に居た。
競馬のことはよくわからないが、一着になる馬の馬券を買えばいいのだろう。
一番人気の馬が一着になることはほぼ間違いないと聞く。その馬券が的中したとしても1.2倍程度にしかならないだろうが、それを繰り返せば資産が増えると考えたのだ。
私が馬を見ていると、真っ黒で、大きななにかを運んでいる男がいた。そのなにかはカプセルホテルの一室をまるまる切り出したような形をしており、表面には光る電子回路のような幾何学模様が描かれておりなにか未来的な技術を感じるものだった。内部には生命維持装置があると私には感じられた。
その内部には女性が寝かされていた。女性はのっぺりとした、真っ黒な、「化学で作られたさなぎ」のようなものに包まれ顔だけを出していた。
男は少しふざけたような調子で私に言った。
「君が賭ける馬に1億円賭けてみないか。配当は君にあげよう」
女性がそれに反対すると男は懐からスタンガンのようなものを取り出した。それを女性の頭部にあてると女性は死んでしまった。
なぜだかはわからないが死んでしまったことは理解できた。
その後、女性はなにかに入ったまま運ばれていった。女性が入れられているなにかには車輪がついているため、ゴロゴロと押されていく。しばらく運ばれていくと、女性は死んでいるのに別の精神に遠隔操作されて身体だけが動き出す。なにかから這いだし、立ち上がり、歩いていく。身体は女性なのに男性の声で話しながらどこかへ歩いていった。
私は競馬場に戻ると男から1億円を受け取り、買おうと思っていた馬券を買った。
そして私は1億2000万円を手にした。

2020年7月30日

7月3日に、私は昔通っていたK学院に入学することになった。

仕事をしながら通学してもよいし、仕事を休んで通学して学院を卒業後に職場に復帰してもよい。どのような選択肢を選んでもよい状況に私は安心感を覚えた。

担任の教員も過去に通っていた頃と全く一緒だ。

教室に入ると、前の席に座っている女性は無愛想なことが印象に残る。見知った者もいる。ほとんどのクラスメイトが私の現役自体と一緒なのだ。

担任教員が学院の概要を説明する。

私はそれを流し聞きしながら、スマートフォンを取り出した。

ソリッドで四角い、キューブの全面からプラスチック製のスティック状のなにかが生えてきたようなスマートフォンだった。

私はスティック状のなにかの奥に配置された液晶画面から何らかの情報を読み取っていた。

ふと気がつくと女性がいた。この顔は知った顔だ。誰だったか……

その女性は風船を持っていた。

私は風船を軽く叩き、それが跳ね返ってくるのを楽しんだ。バシンバシンと音がするように叩くと起き上がりこぼしのように返ってくることが面白く思えた。

風船を叩いていると皆が集まってきて、だんだんきゅうくつになり、私は押しつぶされるような感覚を覚えた。

私はせっかく学院に戻れたのだから、ここにしかない資料をコピーしようと思った。

今まで続いていた担任教員による学院の紹介が終わり、私は家に帰ろうと思った。

すると担任教員が黙々と調理をはじめたので家に帰るのはいったんやめておこうと思った。

教室全体に目線を向けると、一番右後ろの席、そこに座っているのは私が知っている者だ。

しかしなぜ知っているのかわからない。なにを知っているのかもわからない。

私はキューブ状のスマートフォンを取り出すと、妻に電話をかけた。妻と電話をしながらスマートフォンから生えているスティックをひねった。スマートフォンはタッチパネル式ではなく、スティックをダイヤルとして回して操作するものだった。

私はこれからどのような授業が行われるかを、すでにすべて知っている。

それゆえに、これから送る学院での生活は楽しいものだけを味わえるであろうという期待感を胸いっぱいに抱くことができた。

2019年10月1日

男は千年の伝統を誇る武術の後継者であり、王を守る騎士だった。

厳しい修行の果てに、敏捷な動きと敵を寄せ付けない圧倒的な力を手に入れた。

男は休日に友人とプールに出かけた。友人の一人はやや太りがちで、ひょうきんな男だった。

彼は自らが発明したまんじゅうを早食いする装置をプールに持ち込み、まんじゅうを一気に10個頬張った。その装置からはまんじゅうが絶え間なく発射されていた。

もうひとりの友人は男と同い年の女で、大人の魅力を持っていた。男は友人であると同時に、ほのかな恋心を抱いていた。

最後の一人は男よりやや幼い少女だった。

少女は年の差を意識しながらも、男に好意を抱いていた。

いつの間にかまんじゅうを早食いする男はどこかに消え、男と女、そして少女のみになった。

水着を着たなまめかしい体に見とれてみたり、少女の男を思う間違いのない視線を意識してみたり。

男は悩ましい気持ちでその瞬間を楽しんでいた。

2019年10月1日

私達はいつも5~6人くらいのグループで友達と遊んでいた。

私は小学校6年生の女子だ。髪をふたつに結んで、スカートはあまり履かない。友達は男子が多く、その時も男子と遊んでいた。

偶然、道端で「XXXX」(表現不能)を見つけた。

「『XXXX』、はじめて見た。こんなんなんだね」

「XXXX」は法律で飼育が禁止されているため、テレビや図鑑でしか見ることがないものだ。

「XXXX」は人の心から生まれ、そして一度生まれると死ぬことはない。大きさは1m弱くらいで、形は極めてシンプルでリュウグウノツカイを極端にデフォルメしたような造形をしている。

薄青がかったゼリーのような質感をしており、体の表面には目と思われるくぼみが2つあるだけだ。

最も不思議なところは「XXXX」には羽ばたく羽もないのに、常に地上から1mくらいのところを浮遊していることだ。

「これ、私達で飼ってみない?」

私の提案に皆が賛成のようだった。その日から、「XXXX」を隠して飼うことになった。私は「XXXX」にひもをくくり、自宅まで連れ帰った。宙を浮いているので重みもなく、なんの苦もなく連れ帰ることができた。

「XXXX」は押入れなどにかろうじて隠せる大きさだったため、周囲に見つからずに飼い続けることができた。

その後、「XXXX」の生態について研究をはじめた。

まず、どこから来たのか。これについては誰かの心から生まれ、宙を漂ってきたとしかわからなかった。

次に、何を食べるのか。これについては、なぜだか「誰かの心から養分をもらっている」という確信があった。

そして、何を目的としているのか。これについてはただ「XXXX」を隠しているだけではわからないため、外に連れ出してみることにした。

「XXXX」に私の服を着せた、というよりはふわふわと浮遊するそれを私の服に放り込んだというほうが正しいだろう。透明なゼリーが服を着ていることに違和感を感じ、「XXXX」に穴をあけ、色の付いた水を注ぎ込み、せめて肌色にした。「XXXX」は死ぬことはないのだから、罪悪感はなかった。

2019年9月28日

枯れかけた雑草の藪に若い男女がいた。

二人はひと目で高校生とわかるような、きれいな制服を着ていた。それがなぜだかその世界には似つかわしくないように思える。

少し着古しただけでほころんでいないブレザーも、折り目がある程度残ったスラックスも、まっすぐにプリーツの入ったスカートもこの世界には既に残っていないもののように思われた。

世界は文明を忘れてしまうほど、ひどく疲れていた。

しかし、少年と少女がお互いを見つめあう瞳だけは、暖かく、そこに愛を確信しているように感じた。

ふと、気がつくと二人はただの肉の塊になってしまった。なぜそうなったかはわからない。

少女であったものの腕の中には、少年であったものの心臓が強く抱きしめられていた。

二人がどんな形になっても、暖かな気持ちのままでいることは確かだった。

2019年9月19日

特になんの予定もない休日。暑くもなく、寒くもない、全くもって普通の日だ。

暇をもてあました私は自宅の近くを散歩してみることにした。私の自宅は小高い山の上にあり、近所には雑木林があった。

雑木林の散策道を何気なく歩いていると、奇妙な風体をした男に出合った。とても現代の社会人にはありえないような、あたかも魔法使いのような服を着ていた。

男は老人のようでもあり、なんらかの病によって老け込んでしまったようにも見えた。

男は私に泥団子のような土塊を手渡した。

「この道具を使えば、少しだけ時を遡ることができますよ。」

「ただし、使いすぎるとあの男のようになってしまいますよ。」

男が指差した先は、雑木林のさらに奥。ぼろぎれを被った、いかにも廃人です、と言わんばかりの人物がぼうっと立っていた。荒れ果てた肌に空虚な瞳。折れてしまいそうなほどひんまがった腰に、枯れ枝のような腕。それが本当に「人物」であるかも疑わんばかりに空虚だった。

私は『それ』を学校に持っていった。

私は男の忠告を覚えていたため、まずは人に試させてみることにした。とりたてて大切だとは思わないような、ただのクラスメイト。

「それを軽く叩いてみてごらん」

クラスメイトは歓喜して応えた。

「私、時をさかのぼった!それで今戻ってきたの!」

あらためて『それ』をよく見てみると、『それ』の中に青白く光る粉末のようなものが入っていることに気づいた。

また、その粉末は『それ』を使用するたびに減少していくようだった。

ふと、クラスメイトを見るとほんの少し、ごくわずかだけやつれているように見えた。私は『それ』を使用することによる悪影響に気づいた。

私はまだ『それ』を使用しなかった。

その後、親友が『それ』の存在に気づいた。

「『それ』を使わせろ」

私は『それ』を肌身はなさず持ち歩いていたため、『それ』は柔らかくなってしまっていた。外側はただの土塊なのだから。

私は『それ』を使わせることを断った。親友の体に悪影響が及ぶのを避けたかったからだ。

「お前はいつもそうだ。上から目線でなにもかも決めつける。」

友人は私から強引に『それ』を奪って、力いっぱい叩き潰した。

『それ』はすべて消滅してしまい、後には私と、枯れ枝を人形にしたようなかつて友人だったもの、それだけが残った。